日大アメフト部のパワハラ事件…

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連日連夜、日大アメフト部の前監督と前コーチ陣によるパワハラ事件が報道されている。

前内田監督が報道されている発言を言った言わないは置いといて、選手を日常的に追い詰めていたということは、間違いないだろう。

一選手が全ての権限を握っている監督やコーチに逆らうことは出来ないから、選手がかわいそうだ。まだ学生の身分だから、逃げ出す勇気もないだろうしね。

ブラック企業に勤めて、パワハラをしょっちゅう受けていた俺にとって、このパワハラ問題は決して他人事ではない。

俺は社会に出てから、どんだけパワハラを受けて育ったことか。

 

大学を卒業して、マンション販売のF社に入社した。

 

マンション販売系の仕事は、不動産業界の中でも一二を争うぐらいブラックの仕事である。就職がうまくいかなった学生が入社することも多い。

誰だって、簡単に入社できるからね。一次面接か二次面接で採用が出てしまうことも多い。

一部の上場企業を除けば、マンション販売の会社は誰でも採用している。

中途入社の多くは、中卒・高卒の人達だ。俺の知り合いのキャバクラのボーイを、入社時に人事部の人に紹介したら採用されたしw

 

新卒で入社した、このF社はめちゃめちゃブラックだった。所属する課にもよるが、パワハラはどこの課でも当たり前にあった。

同期で情報交換をしていたが、皆パワハラ被害者になっていた。

そもそも、社長が部長や課長をパワハラしまくりだったのだ。そのしわ寄せが、課員にいってしまってたんだろうな。

 

このF社に入社して4月に行われた社内研修は、沖縄でおこなわれた。

沖縄の民家を1軒1軒まわって、ひたすらお茶葉を売りまくらなければいけない。そこらのスーパーで売ってる900円ぐらいのお茶葉を。

1日8時間かけて、ひたすら民家まわって、1個か2個売れればいいほうだ。

この研修で当時の新卒23人のうちの1/4は辞めてしまった。

 

んで、研修も終わって、5月から静岡県のモデルルームに俺は飛ばされた。

風体がヤクザであるN課長の下で、電話営業や飛び込み営業をやらされた。

 

深夜までテレアポや飛び込み営業をすることが当たり前の会社だった。

 

1ヶ月もすれば、新卒の社員の1/2は辞めてしまっていた。

 

仕事後はN課長のキャバクラに付き合わされ、N課長を送らなければいけない。もちろん、飲酒運転だ。同期の一人であるY君は警察につかまった。

しかも、N課長はくさった三文芝居を警察の前で披露する。

集まってきたパトカーの前で、「飲酒運転してんじゃねーよ、こらY!どうすんだこら!」といって、Yくんをボコボコに殴る。

もちろん、自分も飲酒運転の同乗者として、捕まらないための芝居だ。まだ8年前は飲酒運転の同乗者に対して、罰則や罰金が厳しくなかったと思う。Yくんは30万円位の罰金になってしまった。

 

N課長は責任をとらずに、Yくんは会社を去ってしまった。

 

N課長の上のO部長は、課員たちを日中麻雀に付き合わせる。

月末になっても成績が出ていなかったら、追い込んでくれる。お前の麻雀が原因で、皆成績が出ていなかったにもかかわらずだ。

 

そして、F社は倒産した。

 

F社が潰れてからは、G社というマンション販売の会社に転職した。

G社に入社して、足立区のモデルルームに配属されたのだが…やっぱり、パワハラはあった。

 

そこのモデルルームの所属長であるT課長は、パワハラが酷かった。

入社初日に、2時間ガン詰めされる。営業トークや心構え、前の会社での営業方法も含めて、全てを否定された。

 

んで、飛び込み営業をしてる最中、2時間おきに業務報告の電話を入れるのだが、その都度、駄目だしをされる。

入社初日にもかかわらず、見込みやアポがなければ、めちゃくちゃプレッシャーをかけられた。

 

入社してから1週間でウツになりかけた。

とにかく、会社を辞めたかった。

毎日、入社するたびにガン詰めされるか、T課長に挨拶をしてもシカトをされる…

入社して早々に、俺はT課長にはまってしまったのだ。

 

その時の俺はまだ23歳。当時のT課長は37歳。そのモデルルームでは、T課長がすべてを仕切っていた。

 

それでも、入社してから1週間で飛び込みで契約を1件取って、さらにまた2週間後に契約を1件とった。

 

マンション販売の世界で、飛び込みで1ヶ月で2件の契約をとることは、中々ありえないことなので、一気に俺の立場はあがった。

俺もすぐに図に乗っちゃう性格なので、出社時間が8時半から9時半になったw

多少遅刻をしても怒られなくなった。

 

 

日大の件では、前内田監督の発言で問題になってる。

「相手のQBを1プレー目で潰せば出してやる」

「やらなきゃ意味ないよ」

特定の選手をつるしあげて、過度なプレッシャーを与えて脅迫するような指導をしていたと、ネット上でも非難されまくっているのだが。

 

しかし、これ以上のプレッシャーを与える発言をT課長は毎日していた。

 

俺の代わりに詰められる人は、俺より1つ年上のH先輩になった。

H先輩は毎日T課長に詰められていた。

 

「やる気あるのかコノヤロー!殺すぞ!」

 

「休みなんてとる必要ないんじゃねーのかあ?」

 

「さっさと、外いって、アポとってこいよ!とれるまで帰ってくるなよ!!」

 

 

 

俺は上司に詰められても、なにくそーっ!と発奮するタイプなのだが、

H先輩は気弱な性格で、T課長に毎日詰められてしまい、成績もふるわず、2ヶ月でウツになってしまった。

だが、この会社では辞めることすらも許されなかった。

 

H先輩は毎日おびえていた。

「俺が辞めたら、絶対に追いかけてくるよ。この会社の人達は…特に部長と社長はやばい…」

 

H先輩だけでなく、他の課員たちも皆口を揃えて言っていた。

「この会社を辞める勇気はない…」

 

そのG社も、リーマンショックの影響で俺が入社して1年で倒産してしまったけど。

 

 

このときのパワハラが強烈だったT課長は、8年経ってもいまだに同期の友人とよく話題にのぼる。

T課長もオカマみたいでチビでキャラが濃かったし、当時を振り返ることが多い。

 

 

当時のT課長は、今では上場企業のオープンハウスグループで働いている。

 

たまたま、渋谷駅でT課長を8年ぶりに見かけた。

おそらく、オープンハウスの支店が渋谷にあるからだろう。

 

渋谷駅でT課長を見かけた時間は夜の11時頃。

「この時間に帰宅してるのか~。おそくまで働いてるんだなぁ~。」と思い、せっかくだから、元上司に後ろから声をかけてみた。

パワハラを受けていた元上司に声をかけたのは、俺も酒が入っていて良い気分になっていたからだろう。

 

 

俺「Tさん、久しぶりっす!!」

T課長「…どなたでしょうか?」

 

T課長は、めちゃめちゃ小さい声だった。

 

俺「ぼくのこと、覚えてないですか?」

T課長「…はい。申し訳ありませんが。」

 

 

なんか、切なくなった…

あんだけ、毎日ガン詰めされていたのに笑

 

 

やっぱり、パワハラをしたほうは全く覚えてないんかな。

パワハラされた方は、10年近く経った今でも、はっきりと一言一句記憶しているのに。

 

俺「そうですよね~。覚えてないですよね。8年前に足立区のモデルルームで働かせてもらってました〇〇です。」

T課長「あぁ~…〇〇くんか….」

 

おいおい、8年ぶりに会ったというのに、めちゃリアクションひっくいし、T課長の声が小さくて、何を言っているのか全然聞き取りづらい。

夜中まで働きすぎて、ウツ状態になってるんか?!

 

俺「…」

T課長「…」

 

声をかけたものの、無言で会話が続かないT課長と俺

 

 

俺「あ、そういえば僕、自分で会社はじめたんですよー!」

T課長「あ、そうなの? どういった会社ですか?」

 

なんで敬語になってんだよ!

 

俺「たいした会社じゃないですが、〇〇系の会社です。あ、課長また機会あればお願いします。では」

T課長「はぁ…」

 

なんか当時の面影がまったく無く、T課長はたいして記憶してないようだし、早々に切り上げて別れることにした。

当時の課長からしたら、今のT課長から覇気がまったく感じられなかった。

こんなT課長を見たくなかったんだがな。

 

別れた後、なんか切なくなったわ。

 

 

まあ、今の会社でも、T課長がパワハラをしてる可能性は十分にあるだろう。オープンハウスも結構、営業がえげついから。

電話営業もガンガンにやってる会社だしな。

 

渋谷宮益坂でやってるオープンハウスの声掛けが、うっとうしいっちゅうねんw

 

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